大学4年の頃、ほとんど授業にも出ずに、やはりアルバイトばかりしていました。

京橋という大阪らしい下町の歓楽街で当時「青空駐車場」がありました。
今でいう、Timesなどのパーキングのことです。但し当時はだだっ広い広場に管理小屋があって、人が入出庫を管理していました。
奥に駐車した車を出すのに、2人掛かりで、パズルのようにして、車を出し入れしていました。
歓楽街なので、結構な出入りがあります。
とは言いながら、1度満車になると結構暇になります。

管理小屋でぼーっとするのも勿体無いので、お客さんが来ない間は、本をしゃかりきになって読んでいました。
単行本・文庫本、ノンフィクション、フィクション、経済小説、純文学、ミステリー、恋愛もの、歴史もの・・・・・片っ端から、古本屋で買っては読んでいました。

そして、ある時、気づきました。
1週間前に読んだ本の“あらすじ”すら覚えてないことに。

本を読めば少しは、賢くなると信じていた私は結構愕然。

そして、バイト先の年配のおじさんに、嘆きました。
「おっちゃん、本を幾ら読んでも、日にちたったら、中身忘れてしまうねん。だから、読むこと自体意味あんのかな?」
チョット、間抜けな大阪弁で聞いてました。

そのおじさん名言でした。「そらぁ、兄ちゃん。当たり前やで。忘れるために読んでんねや。」

?????また、私、唖然!

でも、よくよく聞くと、“読んで感じたことは、潜在意識に残ってる。だから、何らかの刺激があったときに、その潜在意識が顕在化する。でももともと、読んでなければ刺激を与えても何も出てこない。”だから、読書は意味ある、
と心理学の先生が言うてたらしい。

そうか、忘れることを怖がってはいけないんだ、自戒。

あれから、30数年。今だ潜在意識の中の知識が出てきません。

忘れっぱなし・・・ということもあるかもしれない。

けれども、「青空駐車場」でお客さんの車のバンパーを少し擦ったことだけは、覚えております。

株式会社ニューズさんの写真

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